現代家族の構造と変容 (東京大学出版会, 2004年)
渡辺秀樹・稲葉昭英・嶋崎尚子編, 2004,『現代家族の構造と変容 ― 全国家族調査 (NFRJ98) による計量分析』東京大学出版会.
Watanabe, H., A, Inaba., & N.,Shimazaki eds., 2004, Structure and Change in Contemporary Japanese Families: Quantitative Analyses of National Family Research (NFRJ98), University of Tokyo Press.
書誌情報
- Title: 現代家族の構造と変容: 全国家族調査 (NFRJ98) による計量分析 || Structure and Change in Contemporary Japanese Families: Quantitative Analyses of National Family Research (NFRJ98)
- Editors: 渡辺 秀樹, 稲葉 昭英, 嶋崎 尚子 || WATANABE Hideki, INABA Akihide, NISHINO Michiko
- Date: 2004.1.20
- ISBN: 4-13-056058-1
- Publisher: 東京大学出版会 || University of Tokyo Press
- Price: 7,800 yen
Table of Contents
まえがき (渡辺 秀樹, 稲葉 昭英, 嶋崎 尚子) pp. i-ii
刊行によせて (正岡 寛司) pp. iii-v
序
1章 戦後日本の家族研究とNFRJ98 (渡辺 秀樹, 稲葉 昭英, 嶋崎 尚子) pp. 3-13
- 戦後日本の家族研究と計量的分析 3
- NFRJ98の登場と家族研究の転換 5
- NFRJ98実施の経緯 6
- NFRJ98データの調査票デザイン 7
- 本書の構成——家族変動論と家族構造論 9
2章 NFRJ98の調査概要とデータ特性
I NFRJ98の調査設計とデータ特性 (稲葉 昭英) pp. 15-24
- NFRJ98の調査設計 15
- 標本抽出の方法 15
- データの回収率 17
- データの基本特性 18
- 結論 23
II 無効回答の発生 (田中 重人) pp. 25-37
- 目的と方法 25
- 無効回答の発生状況 27
- 項目別にみた無効回答 33
- まとめと提言 35
I 家族イベント経験とライフコース
3章 配偶者選択と結婚
I 未婚化・晩婚化と社会経済的状況 (加藤 彰彦) pp. 41-58
- 未婚化・晩婚化と経済成長 41
- 結婚の理論 42
- NFRJ98データに見る未婚化・晩婚化の趨勢 45
- 離散時間イベント・ヒストリー分析 48
- 結論 55
II 夫妻年齢差の変化 (廣嶋 清志) pp. 59-76
- 夫妻年齢差の縮小とその意味 59
- 分析の対象と方法 62
- 夫妻の年齢差の分析 67
- 性別役割意識の回帰分析と夫妻年齢差 71
- 結論 74
4章 出生行動の特徴と決定要因: 学歴・ジェンダー・価値意識 (福田 亘孝) pp. 77-97
- 出生パターンの変動——出生力水準と出生テンポ 77
- 出生タイミングの変動についての仮説 78
- データと変数 83
- 出産パターンの単変量分析 85
- 出産パターンのイベント・ヒストリー分析 88
- 結論 93
5章 成人期への移行過程の変動: 学校・職業・家族の共時性 (澤口 恵一, 嶋崎 尚子) pp. 99-120
- 問題の所在 99
- 成人期への移行過程上のイベントの経験 100
- 学卒と初就職の共時化 105
- 離家のタイミング 106
- 家族形成と職業 113
- 結論 117
6章 老親と成人子との居住関係: 同居・隣居・近屠・遠居をめぐって (田渕 六郎, 中里 英樹) pp. 121-148
- はじめに 121
- 老親と成人子の居住関係へのアプローチ 122
- 老親と子との居住関係——概要と人口学的制約 129
- 老親と成人子の同居・別居 132
- 老親と成人子の居住関係——同居・隣居・近居・遠居 137
- 結論と考察 142
7章 親の介護経験
I 老親介護の構造: 介護者としての子の視点から (安藤 由美) pp. 149-158
- はじめに 149
- 分析対象者 150
- 介護経験の概要 151
- 親との同居有無による介護内容の違い 154
- 結論と若干の考察 156
II 介護経験の「双糸化」: 彼女たちは何人の,そしてどの親を介護したか (大久保 孝治) pp. 159-172
- 親族関係の「双系化」という現象 159
- サンプルと変数 161
- 分析と考察 166
- 結論 171
II 家族内部の相互作用と構造
8章 男怪の家事・育児参加
I 男性の家事参加: 家事参加を規定する要因 (松田 茂樹) pp. 175-189
- 問題 175
- 先行研究 176
- 分析 178
- 結果 181
- 結論 186
II 男性の育児参加 (永井 暁子) pp. 190-200
- 研究の目的 190
- 男性の育児参加についての仮説 191
- 方法 192
- どのような男性が育児に参加するのか 194
- 考察 197
9章 女性の就業と夫婦関係
I 共働き家庭における男性の家事参加 (石井クンツ 昌子) pp. 201-214
- はじめに 201
- 男性の家事参加 202
- 分析対象者の基本特性 206
- 変数 206
- 結果 208
- 結論と考察 211
II 育児期後の女性の就業と家族生活 (西村 純子) pp. 215-230
- はじめに 215
- 先行研究と分析モデル 216
- 方法 219
- 分析結果と考察 222
- 結論 225
10章 父親・母親と子ども
I 父親と子どもの接触頻度の親定要因 (末盛 慶) pp. 231-243
- はじめに 231
- 理論仮説の提示——先行研究の概観 232
- 方法 233
- 分析 235
- 結論と考察——今後の課題 239
II 親子関係の質とその決定要因 (賀茂 美則) pp. 244-259
- はじめに 244
- 親子関係の質に影響を与える要因——親に関するもの 246
- 親子関係の質に影響を与える要因——子どもに関するもの 249
- 方法——データおよび尺度 250
- 結果 252
- 考察と結論 258
11章 夫婦関係のパターンと変化
I 夫婦関係の発達的変化 (稲葉 昭英) pp. 261-276
- 夫婦関係への視点 261
- 使用するデータと分析方法 264
- 夫婦関係の発達的変化 266
- 結論 274
II 結婚満足度を規定するもの (木下 栄二) pp. 277-291
- 結婚満足度への視点 277
- 方法 280
- 結果 284
- 考察 287
12章 高齢期の家族関係
I 高齢期の夫婦における夫の家事参加 (岩井 紀子) pp. 293-309
- 夫の年齢と家事参加 293
- 高齢夫婦の家事分担に関するアメリカの研究 294
- 高齢夫婦の夫の家事参加に影響を与える要因 296
- データ 299
- 結果 300
- 結論 304
II 高齢者のきょうだい関係 (安達 正嗣) pp. 310-323
- 高齢者にとってのきょうだい 310
- 日米のきょうだいの交流状況 313
- 結論 321
III 家族と外部システム
13章 家族と教育達成: きょうだい数と出生順位を中心に (平沢 和司) pp. 327-346
- 問題 327
- 分析対象者 331
- 変数 331
- 分析 333
- 結論と課題 341
14章 親子のライフステージと世代間の援助関係 (保田 時男) pp. 347-365
- NFRJにおける世代間援助の調査項目 347
- ライフステージの進展にともなう世代間援助の変化 349
- きょうだい数の減少と将来の援助関係 357
- 結論 364
15章 介護ネットワーク・ジェンダー・社会階層 (大和 礼子) pp. 367-385
- 問題——「1人あたりの多様性」説と「全体としての多様性」説 367
- 分析——介護ネットワークに対するジェンダー・年齢・社会階層の影響 371
- 議論——「準制度化された介護者=女性」の影響 379
- 結論 382
16章 親族と家族認知 (藤見 純子, 西野 理子) pp. 387-412
- データの特色と本章での課題 388
- 保有親族と家族認知 392
- 親族カテゴリーと家族認知のメカニズム 399
- 同居・別居と家族認知 403
- 家族認知の基準——最年長きょうだいのばあいの探索的分析 407
- 要約 410
終章 NFRJ98とこれからの家族研究 (渡辺 秀樹, 石原 邦雄) pp. 413-425
- 全国家族調査の意義 413
- 戦後日本家族の変動 416
- 戦後日本家族の構造 418
- NFRJ98から見える家族 420
- 公共利用データを用いた家族研究のあり方 422
付録
付録l NFRJ98調査票 pp. 429-453
付録2 NFRJ98報告書総目次 pp. 454-457
付録3 NFRJ98の成果 pp. 458-460
あとがき (渡辺 秀樹, 稲葉 昭英, 嶋崎 尚子) pp. 461-463
Reviews to This Book
『現代家族の構造と変容: 全国家族調査(NFRJ98)による計量分析』にたいして、以下の書評・文献紹介をいただきました。
- 布施晶子 (2004) 『家族研究年報』 29:102-107 <http://ci.nii.ac.jp/naid/40006365408/>
- 村上あかね (2004.5) 『人口学研究』 34
- 近藤博之 (2004.7) 「文献紹介」 『家族社会学研究』 16(1):129 <in Journal @rchive by JST>
- 福田節也 (2004.7) 『家計経済研究』 63 <http://www.kakeiken.or.jp/jp/journal/jjrhe/backnumber60.html#n63>
- 岩上真珠 (2004.8) 『日本労働研究雑誌』 529:67-69 <http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2004/08/pdf/067-071.pdf>
- 尾嶋 史章 (2005) 『理論と方法』 20:265-267 <http://joi.jlc.jst.go.jp/JST.JSTAGE/ojjams/20.257>
また、第14回日本家族社会学会大会(2004年9月12日日本大学にて開催)において書評セッションを開催しました
- 書評者:盛山和夫・直井道子・目黒依子
- コーディネーター:渡辺秀樹・稲葉昭英・嶋崎尚子
セッションの内容は、『家族社会学研究』17(1): 7-24 (2005年)に収録しています: