全国家族調査 (NFRJ) とは
「全国家族調査」(National Family Research ofJapan: NFRJ) は、 日本家族社会学会全国家族調査委員会 が実施している、確率標本による全国規模の家族調査です。 本プロジェクトの主たる目的は、研究者が利用可能な無作為抽出に基づく全国確率標本データを定期的に構築すること、そうしたデータを多くの研究者の公共利用に供することの2点です。
これまでに、 1998年度に第1回調査 (NFRJ98)、 2001年度に特別調査「戦後日本の家族の歩み」(NFRJ-S01)、 2003年度に第2回調査 (NFRJ03) 2008年度に第3回調査 (NFRJ08) 2018年度に第4回調査 (NFRJ18) を実施してきました。 その中で、第3回調査対象者のうち、応諾いただいた一部の方について、継続してパネル調査 (NFRJ-08Panel) を実施しています。 また、それ以前の1997年にも、東京地域において2種類の予備調査をおこないました。 これらのデータは、東京大学社会科学研究所「SSJデータアーカイブ」で公開されており、多くの研究者によって二次分析に利用されています。
第1回全国家族調査 (NFRJ98) 実施までの経緯
1992年9月というきわめて早い時期に、すでに日本家族社会学会研究活動委員会(委員長・正岡寛司)内部でこの構想は計画され、93年7月の第3回日本家族社会学会大会総会において学会として全国家族調査を実施することが提案され、承認されている。この時点から学会内の有志によって全国調査の実施に向けての検討が進められた。94年には研究活動委員会が中心となり文部省科学研究費(当時)の申請を開始し、95年9月に日本家族社会学会(会長・正岡寛司)の特別委員会として全国家族調査委員会(NFRJ委員会:委員長・渡辺秀樹)が設置され、本格的に調査デザインや組織についての議論が開始される。翌96年1月には、学会全体に呼びかけて第1回の全国家族調査研究会が開催される(1月6日、於・早稲田大学)。そして、同年、NFRJ委員会は研究経過を学会員に報告するために「NFRレター」の定期的な発行をはじめた。全国家族調査の研究自体を逐次公開し、幅広い参加をとおした研究の促進・活性化を図ったのである。
科学研究費はようやく平成10-12年(1998-2000)の3年間について基盤研究Aによる助成(「現代家族の基礎的研究」、研究代表者・森岡清美淑徳大学教授、交付決定額4090万円)をうけることができ、98年10月にサンプリング、99年1月に実査を行なうことができた。実に、企画の段階から調査の実施まで6年以上を費やし、事実上事業の終了であるデータの公開までには10年近い歳月が費やされている。
渡辺秀樹・稲葉昭英・嶋崎尚子(編)『現代家族の構造と変容』(2004年、東京大学出版会)序文より。
全国調査「戦後日本の家族の歩み」 (NFRJ-S01)
(2002年 初頭実施)第2回, 第3回調査 (NFRJ03, NFRJ08)
(2004年初頭, 2009年初頭実施)全国家族調査パネルスタディ (NFRJ-08Panel)
(2009-2012年 毎年実施)各調査について
- 第1回全国家族調査 (NFRJ98) (1999年 初頭 実施)
- 全国調査「戦後日本の家族の歩み」 (NFRJ-S01) (2002年 初頭実施)
- 第2回全国家族調査 (NFRJ03) (2004年 初頭 実施)
- 第3回全国家族調査 (NFRJ08) (2009年 初頭 実施)
- 全国家族調査パネルスタディ (NFRJ-08Panel) (2009-2012年 毎年実施)
- 予備調査「家族と夫婦関係に関する調査」 (1997年10月 実施)
- 予備調査「少子化と親子関係に関する調査」 (1997年1月 実施)